ニューバランス1400の修理特集

ニューバランスの修理をHPやインスタに上げさせていただいてから、全国から郵送でのニューバランス修理依頼が増えてきました。

その中でも特に多いのがNB1400。

1400は当時1300の次に発売される予定があったにも関わらず、理想的な安定性とクッション性を追求した結果量産ができず、一度は製品化が見送られたそうです。

そして現在は生産コストや日本市場のみで販売されていることから、2021年に復刻されてから新規生産されたものはなく、現在は中古や並行輸入品でしか手に入れることは出来ません。

しかも中古ですら状態の良いものは3万前後、並行輸入品に至っては6万〜10万以上するものも⋯
(しかも状態が良くても当然時間が経てば劣化する)

そんな1400ですが、その複雑すぎる構造上、内部に埋め込まれているポリウレタンに湿気が籠もり劣化する事例が多発しております。

当店では内部のポリウレタンを全て除去し、EVA(スポンジ素材)に交換することで見た目を損なうことなく純正ソールよりも永くお使いいただける修理が可能です。

例えば、状態の悪い1400を中古で1万くらいで購入して、アウトソールとミッドソールを交換(¥16,500)すれば計¥26,500くらいで手に入る計算に⋯!

※ライニングやバックチップ、ヒールスタビライザーなどの修理代は除く

ということで、今回はNB1400の修理をまとめてみました。

1、ミッドソール交換、シュータンスポンジ交換

アウトソールは交換せず、ミッドソールのみ交換してほしいというご依頼。

アウトソールの状態によっては流用できない場合がありますが、こちらは問題なく流用できました。

ついでにシュータン内部のスポンジ(これもポリウレタン)も粉になって靴内部を汚してしまっていたので、シュータン内部を掃除してからスポンジを詰め直すことに。

内部のポリウレタンを取り除いた後、EVAを整形し、埋め込み、小窓部分を削り、グレーのEVAを埋め込みます。

最後にソールを貼り付け、シュータンスポンジも交換して完了です。

ヒールスタビライザーがかなり劣化しており無数のヒビが入ってます。本音を言うと交換したいところですが、交換しないとのご要望でしたのでヒヤヒヤしながら作業しました。なんとかセーフ。

アウトソールは勿論、シュータンスポンジも内部しか交換していないため、見た目は修理前と殆ど変わってないと思います。ソールには劣化防止にモウブレイのマルチカラーローションも塗らせていただきました。

こちらの修理はミッドソール交換¥9,900円+アウトソール再利用による接着¥1,100円+シュータンスポンジ交換¥4,400円で計¥15,400円でした。

※2026/5/10追記
石油不足による接着剤の大幅な高騰により、アウトソール再接着は両足で¥2,200円とさせていただきます。(アウトソール交換価格は据え置き)

2、ミッドソール+アウトソール交換、アッパー踵レザー交換

こちらの1400も同様にミッドソールが劣化しています。今回はアウトソールがすり減ってしまっているため、アウトソールも交換。

更にアッパーの合成皮革が劣化していますが、全て革に交換すると高額になってしまうため、踵の目立つ部分のみ革に交換しました。

ヒールスタビライザーは今回とても良い状態。

時間があったので作業の様子をご紹介。

まず足裏に近い方は程良い柔らかさのスポンジを使用します。端材が出来るだけ出ないようにギリギリで切り出し、形を整えたら地面に近い方のスポンジを接着します。こちらは潰れにくい僅かに硬いスポンジを使用。

形を合わせたら埋め込むように接着、余分なスポンジは削り落とします。

小窓部分のスポンジを削り落とし、グレーのスポンジを用意、形を合わせ、接着。

アウトソールも爪先の巻き上がり部分の形を合わせておき、接着。
ソール修理だけで4回接着します。

次はアッパー踵合皮の縫製を解き、牛革を同じ形に切り出しておきます。

仮止めしたら縫製。なるべく元の縫穴に合うよう針を通します。

縫ったら袋とじ状に折り返し、接着。

最後に革に合わせて縫えば完成です。

仕上がりました。
合皮部分のロゴは無くなってしまいますし、裏生地を交換しない場合は履き口のスポンジを潰して縫うことになりますが、履き心地は問題ございません。

ソールに関しては横から見ると修理したかどうか分からないと思います。裏面のVibrumロゴでやっと分かるくらい。

今回の修理はミッドソール+アウトソール交換¥16,500円、アッパー踵合皮交換¥4,400円で計¥20,900円です。

3,アウトソール+ミッドソール交換(予防)

今度はホワイトアッパーにブラウンのソールがワンポイントになっている一足。

今回はアウトソールがパキパキに割れてしまっていますが、ミッドソールはボロボロしてません。

ただ購入してから10年以上経過していることから、今後劣化することを踏まえてミッドソール交換もご提案しました。(価格も同時交換した方が圧倒的に安い)

早めに交換すればヒールスタビライザーにもダメージを与えずに修理出来ますのでおすすめ。

修理後がこちら。

小窓のスポンジは純正と同じ白もありましたが、ワンポイント加えたいとのことでグレーに変更。

アウトソールは純正の色に近いライトブラウン色のvibramソールを使用。

ちなみにこの色のソールは廃盤になってしまったため、今後はハニー色になります。(ライトブラウンより明るい)

価格は2と同じ、¥16,500円です。

これで終わり、と思いきや⋯

真打ち登場。

4,アウトソール+ミッドソール+バックチップ+ライニング+シュータン+クリーニング

もはや劣化する所は全て劣化しています。交換せず残せるのはNロゴマークくらい⋯

アウトソールは問題なさそうに見えますが、劣化によりツルツル滑り危険な為、交換。

小窓部分はお客様がボンドで固めたようで(滅茶苦茶綺麗!)、内部がどうなってるか見えませんが、ソールを剥がしたらポリウレタンが砂のように溢れました。

その様子はインスタで公開させて頂きます。

ライニング内部のクッションが粉になって内部がとんでもないことになっているので、シュータンとライニング交換は必須ですが、バックチップのリフレクターとシュータンの合皮部分も当然劣化しており、交換せずミシンで縫うと合皮がボロボロになってしまうため全交換。

ヒールスタビライザーも交換をおすすめしましたが、出来れば残してほしいとのこと。

この状態ではいつ破損してもおかしくないですが、レッドのヒールスタビライザーはとても貴重なので、できる限りご要望にお答えしました。あとせっかくなのでクリーニング。

では修理に入ります。

修理する箇所を全て外した後、まずはクリーニングします。

ミッドソール+アウトソール交換。上記の2足と同じ工程です。

シュータン作成。革の色がかなり近く、タグも移植したため修理した感がありません。

バックチップにはリフレクターの代わりとなるスモークシルバーの革を使用。

ライニングはライトグレーのメッシュ素材を使用。革と比べると耐久性は劣りますが、履き心地や通気性、コスパはメッシュが上。(何より純正に近い)

縫ったメッシュを折り返して接着、サイドを縫い付け。

最後にシュータンを取り付ければ⋯

完成です。

かなり時間が掛かりましたが、クリーニングの効果もあり良い仕上がりです。

ヒールスタビライザーには接着跡がかなり残っていますが、こうでもしないと修理中に破損してしまうので⋯(実際ソール圧着時にヒビが増えてます)

着色して誤魔化せないかと色々やってみましたが、簡単に剥がれ落ちてしまうため断念。

完全に破損してしまったらレザーに交換させて頂きますが、一日でも永くご堪能下さい。

今回の修理はアウトソール+ミッドソール交換¥16,500円+バックチップ+ライニング+シュータン交換¥16,500円+クリーニング¥4,400円ですが、高すぎるのでクリーニングは¥1,100円に、更に¥2,200円値引きして計¥31,900円でした。

もはや靴が買える値段ですが、それに見合うだけの仕事をさせていただきました。

皆様ご利用いただきありがとうございました!

※1400の修理ご紹介はまだまだ続きます。こちらからどうぞ。

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